悪性胸膜中皮腫の統合ゲノム解析

当研究室の大学院生の竹下純平、福田史朗研究員、辰野健二研究員および山本尚吾研究員はThe Cancer Genome Atlas (TCGA)の悪性胸膜中皮腫のプロジェクトに参加してきましたが、統合ゲノム解析に関する論文が10/15付けでCancer discovery誌のオンラインに掲載されました。本研究では、日本人悪性胸膜中皮腫とTCGAの全エクソーム解析のデータを活用し、悪性胸膜中皮腫においてコピー数がほぼ1倍体を示す (near-haploidization)新たな亜型の同定に貢献しました。この亜型は、全症例においてSETDB1遺伝子異常を有しており、女性に多いという特徴があり、従来の悪性胸膜中皮腫(BAP1またはNF2遺伝子異常、男性に多い)とは明らかに異なる特徴を有していました。今回の統合解析の結果は、臨床応用が進むがんゲノム医療の更なる進展に寄与するものと考えられました。


Near haploidization (原文Figure3c)

本研究の日本人悪性胸膜中皮腫のデータは、愛知県立がんセンター分子腫瘍学分野の関戸好孝先生、兵庫医科大学名誉教授の中野孝司先生らとの共同研究で収集したデータセットを使用しました。

雑誌名: Cancer discovery

論文タイトル:Integrative Molecular Characterization of Malignant Pleural Mesothelioma

ウェブサイト:http://cancerdiscovery.aacrjournals.org/content/early/2018/10/13/2159-8290.CD-18-0804

This entry was posted in News. Bookmark the permalink.