新規p53標的遺伝子PHLDA3の同定(Cell)

ゲノムサイエンス分野の堤修一助教、上村直子研究員らは国立がんセンターの大木理恵子研究員らとの共同研究において、新規p53標的遺伝子としてがん抑制機能を有するPHLDA3遺伝子を同定し、2月6日付けでCell誌に報告した。

大木博士らはこれまでにp53標的遺伝子の同定を報告しているが、今回の共同研究ではp53蛋白のゲノムへの結合およびヒストン修飾をChIP-chipおよびChIP-seq法により解析し、新たなp53標的遺伝子PHLDA3を同定した。多くのがんではがん遺伝子Aktの活性化を伴っているが、PHLDA3タンパク質はAktタンパク質の活性を抑制することから癌抑制遺伝子p53の新たな機能として注目される。

 

Tatsuya Kawase, Rieko Ohki#, Tatsuhiro Shibata, Johji Inazawa, Tsutomu Ohta, Hitoshi Ichikawa, Naoko Kamimura, Shuichi Tsutsumi, Hiroyuki Aburatani, Fumio Tashiro and Yoichi Taya. PH domain-only protein PHLDA3 is a p53-regulated repressor of Akt. Cell, Vol. 136, 2009.

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