引退機器

次世代シーケンサー

Ion Proton™システム(Thermo Fisher Scientific社)

次世代シーケンサIon Proton™システム (Thermo Fisher Scientific社)

Ion Proton™システム

次世代シーケンサーのもう一つの機種。断片化したDNAを同時並列的にSequence-by-Synthesis法で読んでいく点ではilluminaと同じであるが、核酸が取り込まれる際に放出される水素イオン(proton)を電気的に検出するため、高価な蛍光色素や蛍光を読み取るための光学系、画像解析などの技術が不要でシーケンスコストが低い特徴を持つ。送液中の核酸を次々と切り替えてAGCTの塩基を判別するが、同じ塩基が続く場合は連続して取り込まれ、検出される電流量の違いで連続塩基数を判別するが、あまりにも連続塩基が多くなると塩基数の判定に誤差が生じやすい。

IonProton

www.thermofisher.comより

ライブラリー調整機器

Neoprep (illumina社)

NeoPrep

NeoPrep (illumina社)

Illuminaシーケンサー専用のライブラリー作成自動化機器。専用試薬と専用機器を用いることで、完全自動化を達成している。16サンプルを一度に処理。セットアップに30分程度で済むが、ライブラリーの完成までには9-10時間かかる。作成できるライブラリーは専用試薬キットが出ているアプリケーションに限られる。

 

 

 

流体集積回路システム

流体集積回路によるコピー数のデジタルカウント

BioMark

DNAのコピー数の正確で安定した定量は従来の技術では難しく、PCR、マイクロアレイにおいてコピー数は連続的な値として計測され、離散的な値を推測していた。その為、得られた結果の判別が難しい場面にしばしば遭遇する。 BioMark(Fludigm社)は半導体集積回路などに用いられている微細加工技術を転用して作られた流体集積回路を使用してDNAコピー数のデジタルカウントを行う。流体集積回路とは基板上に作られた微細化学実験系であり、BioMarkでは数万のセル(区切り)が搭載されている。これらの膨大なセル群でtaqman-PCRを行い、個別に目的断片の有無を計測することが可能である。コピー数が0, 1, 2の既知領域において、0、0.49、0.98といった理想に近い値が得られることも確認された。 母体血中に流れる胎児由来の21番染色体DNAの測定によるダウン症の診断などの、これまでに難しかった測定にも有効であるため実際の臨床応用が期待される測定技術である。