2015 Cold Spring Harbor Laboratory Meeting, “The Biology of Genomes”

2015年5月5日から9日かけて、Cold Spring Harbor Laboratoryで開催された会議 “The Biology of Genomes”に参加した。2年前に参加した同じ会議では、国際コンソーシアムENCODEプロジェクトにより次世代シーケンサーを用いた多数のエピゲノムデータが公開された直後であり、それらを用いた多くの比較解析が発表された。そして今回、2015年の初旬に公開された国際コンソーシアムRoadmapプロジェクトによる多数の組織エピゲノムデータが加わり、そこに癌ゲノムデータの合わさった統合的な研究成果に関する発表が数多く見られた。また、癌細胞の一細胞解析や、組織の位置情報を保持した遺伝子発現解析など、より詳細なターゲットに絞った解析を行うための技術開発への関心が高いように感じた。現在、主に基礎研究レベルで用いられていた解析技術が医療現場にも取り入れられつつあり、基礎研究と臨床研究の距離が急速に縮まり始めた。それに伴い、異なる種類のデータを繋ぎ合わせ、その間に潜む未知の結びつきを明らかにする計算科学的なアプローチが重要となってきている。計算科学者として、エピゲノム解析の臨床研究への応用に向けた新たな視点の必要性を感じた。

仲木 竜

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