肝細胞癌で高発現する β-カテニン標的遺伝子Notum

鳥巣勇一および渡辺亮研究員はマイクロアレイを用いた遺伝子の発現解析によ って、肝細胞癌において発現の亢進する新規遺伝子NOTUMを同定しました。ウ ェスタン及び免疫組織化学によるタンパク質発現解析では3割の肝臓癌で発現 亢進が認められ、これらはWnt/β-カテニンシグナルの亢進している肝臓癌であ ったことより、NOTUMの発現はWnt/β-カテニンシグナルによる制御が示唆され ました。クロマチン免疫沈降により、NOTUM遺伝子発現がβ-カテニン/TCF複合 体によって直接の発現制御を受けていることを示し、NOTUMが古典的Wntシグナ ルの下流遺伝子であることを示しました。ショウジョウバエNotumの異常は形 態形成に深く関与し、Wntシグナルの異常な活性化は大腸癌をはじめとする種 々の癌をひきおこしますことより、NOTUMの発現亢進と肝臓癌の発生や進展の 関係についてさらなる解析を進めています(Cancer Science電子版)

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