2013 Cold Spring Harbor Laboratory Meeting, “GENOME INFORMATICS”

開催期間: October 30 – November 2, 2013

今回のCSHL meetingはちょうどハロウィンの期間と被っていたことから、会場中にハロウィン用の飾り付けがなされており、ちょっとした遊び心を感じることが出来た。またそれに合わせ、抄録集のカバーもハロウィンに合わせたデザインになっていた。

この会議のキーノートスピーカーはMichael Snyder先生とLior Pachter先生の2名でどちらもENOCDEプロジェクトの関係者であり、エピゲノムに関わる複数のデータの統合、医療技術への応用に対する展望などについて話された。その他の発表では、NGS関連データの解析技術の開発や応用、増え続ける大規模データをどのようにマネージメントするかといったデータベース技術、薬剤開発に向けた立体構造シミュレーションなど様々だった。特に、複数のヒトのヒストン修飾のChIP-seqデータを比較することで各個人のクロマチンの状態の違いを明らかにし、その機能解析を行った解析が興味深かった。また、転写因子結合領域とそれ以外の領域におけるDNA立体構造の違いをコンピュータシミュレーションにより検証する研究では、なぜ転写因子は認識配列を含んでいても結合できる領域と出来ない領域があるのかという疑問を考える上で非常に参考になった。

その他で印象的だったのが、意外と日本人研究者が数多く参加していたことだった。特に現在、本分野において目覚ましい活躍をされている若手研究者の方々にお会いでき、その方達とディスカッションをする機会が持てたのも貴重だった。日本にはGENOME INFORMATICS専門の情報交換の場は少ないため、国外だけでなく国内の本分野に関わる研究の動向を知る上でも非常に良い機会となった。

仲木

カテゴリー: 学会見聞記 パーマリンク