メチル化解析システム

イルミナ社 iScanシステム

iScanシステム

illumina社のビーズアレイは、もともとSNP解析用に開発されたマイクロアレイプラットフォームだが、バイサルファイト変換後のゲノムDNAに応用することによってDNAメチル化の解析も行うことができる。
バイサルファイト変換後のゲノムDNAは、シトシンがウラシルに変換されるが、5-メチルシトシンは変換されない。この塩基の違いをプローブのシグナルで認識し、メチル化率を測定する。
ヒトゲノムの2万7千ヵ所のCpGサイトを測定できるHumanMethylation27 BeadChipを使用してきたが、より包括的な解析へ展開するため、エキスパートコンソーシアムによるHumanMethylation450 BeadChipの設計に参画した。現在では47万か所以上を解析できるこのビーズアレイを使用しており、癌の包括的プロファイルを大規模に進めているTCGAプロジェクトなどにも採用されている。増幅系にPCRを用いていないことから、定量性が保たれていることも特徴の一つである。2015年にリニューアルされたInfinium MethylationEPIC BeadChipは、遺伝子発現制御に重要なエンハンサー領域にプローブを増設され、85万か所のCpGサイトが測定できるようになった。1枚のアレイで8サンプルを解析可能であり、多数の癌臨床検体のメチル化解析や、ヒト正常組織間のメチル化の比較、細胞分化過程におけるメチル化の変化など、さまざまな解析に応用が可能である。